2015年、電通の過労死自殺からもう8年もたつのですね。
高橋まつりさん、改めてご冥福をお祈りいたします。
当時まだ24歳だった電通社員の高橋まつりさんが長時間労働で精神を病み、自殺に追い込まれてしまった事件です。
当時のニュースでは大きく取り上げられ、過酷な労働環境が問題になり、共感できる人も多かったのではないでしょうか。
特に長時間労働が問題視されていました。
130時間を超える残業があったそうですが、この国では決して珍しくないことだとは思います。
実態はそこにいる当事者にしかわからないことですが、マウントをとる側、とられる側が存在していたことは確かでしょう。
会社とは村社会のようなもので、そこにいる限り組織特有の文化に従う必要があります。
組織の中の弱い人が、権力を持った悪い人に利用されている。そんなイメージを持ちやすいですが、そんなに単純なものなのでしょうか?
偏った、厳しい文化があるからこそ、組織がうまくまわっている面もあります。
実際はそれぞれの人が、各々の立場で献身的に働いているはずです。
労働基準が徹底的に整備されている先進国でも問題は沢山あります。
残業に対して自治体の制度が厳しいため長い時間働くことができず、結局のところ副業をしなくては生活ができない。
企業も限りある予算と時間を使って雇用するこが必須となるため、労働者は突然解雇されるケースも少なくありません。
人は賢い生き物ですが、問題を解決できる知恵が乏しく、まだまだ未熟ということでしょうか。
組織から押し付けられる当たり前や常識を目の前に出されても、疲労やプレッシャーの中、判断能力はなくなり、受け入れる事しかできなくなります。
ましてや初めての社会人経験者となると、その世界が全てとなります。
自分の責任だと思い込むから、身近な家族にも相談できる思考にはならない。
相談できたとしても、病んだ心をフィルターにして話しをするから伝わらない。
そもそも自分の心の声すら聞こえていない。
人は簡単に孤独になってしまいます。優しく真面目な人ほど。
何に頼ればいいのか。もうどうすることもできないような気がしてきますね。
でも私は、この社会を良くしていくことはそんなに難しい事ではない気がしています。
身近にいる人に心を寄せて、優しく接するだけで良いのではないでしょうか。
困っていそうな人を見かけたら手を差し伸べて、優しく微笑みかけるだけで良いのです。
立派な正義感や勇気も必要ない。簡単なことです。
見下したり嘲笑ったりすることなく、微笑みかけるだけ。
そんな小さな心の寄せ合いがあってこそ、新しくより良い社会を創るアイデアが生まれるのではないでしょうか。
頭のいい人達でも解決できない難しく問題だらけの社会。
これからは一人一人の力が必要になります。
この世界は不平等で、ほとんどの人が弱者です。でも人間です。
賢い人や偉い人に全てお任せするのではなく、自分ができることは本当にないのでしょうか?
国が悪い。会社が悪い。時代が悪い。目を背ければどうとでも言えます。
微力でも、私は私の出来ることをやっていきたいと思います。